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- 【受講生募集!】〈あなた〉の言葉を聞き、〈わたし〉の言葉を書くために。「SPBS THE SCHOOL クィア・フェミニズム批評入門講座」
誰もが手軽にコンテンツの感想を読んだり書いたりできる時代だからこそ身につけておきたい、「批評」の力。SPBSでは、他者の声に冷静に耳を傾けながら、自身の視点から物事を捉え、言葉にするための「批評ワークショップ」を昨年秋に実施しました。2024年秋、さらに多くの人に「批評」の扉を開いてもらうため、第2期を開講します。
第2期では、第1期でも取り上げた「クィア・フェミニズム批評」を軸に、批評について学びます。「クィア」「フェミニズム」のどちらも近年、耳にする機会が多くなりましたが、旧来の批評界では、クィアや女性たちのようなマイノリティの声や視点は置き去りになりがちでした。
名前が付けられる前から、確かに存在していた人々の声に耳を傾けるべきだという視点で取り組まれてきた、「クィア・フェミニズム批評」。本講座において、「クィア・フェミニズム批評」の視点を身につけることが、他者の声を聞き、自分の言葉で書くことに重要な示唆を与えてくれるに違いありません。
ナビゲーターには第1期に引き続き、批評家の水上文さんをお迎えします。講座と対話でインプットとアウトプットを繰り返し、実際に執筆にトライ。プロの目によって添削された受講生のみなさんの批評文を、講座最後に一冊の冊子にまとめます。
「クィア・フェミニズム批評」を学びながら、場と言葉を他人と共有し、自分の考えを自分の言葉で形にするプロセスの中で、少しでも見聞や世界が広がったらうれしいです。自分の批評に新しい視点を取り入れたい方、他人の言葉を借りずに世界を見渡したいという方、洞察力を深め文章力をアップしたい方、ぜひご参加をお待ちしております。
*昨年の批評講座のページはこちら
*昨年の企画担当者インタビューはこちら(前編・後編)
▷ こんな人に受けてほしい
・クィア・フェミニズム批評を学びたいと思っている人
・文章/批評と関わっていくことに興味がある人
・クィア・フェミニズム批評の視点を小説、脚本などの創作に活かしたい人
・興味関心のある作品について、より深く理解し言葉にしていきたい人
・マイノリティ理解の文脈(多様な立場の視点を自分のなかに取り込むこと)を学び、企画や文章を書く仕事の前提知識として活かしたい人
・自分の中から出てきた言葉だと感じられる文章を書きたい人
▷ 講座ナビゲーター
水上文(みずかみ・あや)
1992年生まれ。文筆家・批評家。書評・文芸批評、映画・アニメ評等の執筆に加え、ジェンダー・セクシュアリティに関連したエッセイ等を執筆。2022年『文學界』新人小説月評を担当。また2022年より『文藝』で文芸季評を、2023年より丸善雄松堂『學鐙』で文芸季評を担当中。2023年映画美学校「ことばの学校」基礎科の講師を担当。企画・編著に『われらはすでに共にある 反トランス差別ブックレット』(現代書館)。
▷ プログラムディレクター
加藤雄大(かとう・ゆうだい)/SPBS THE SCHOOL
乳幼児向け教育サービスでの企画運営やワークショップファシリテーターなどを経て、2020年にSPBS入社。SPBS TOYOSU副店長を経て、現在は〈SPBS THE SCHOOL〉で企画やワークショップのファシリテーション、映像配信等を担当。
▷ カリキュラム(全7回+最終講評会)
第1回|2024年11月23日(土)13:00〜16:00
テーマ|フェミニズム/クィア理論の基礎知識①(基礎講義)
ゲスト|藤高和輝
ジェンダーやセクシュアリティについて、哲学的なアプローチから研究をされている藤高和輝さんをゲストにお招きし、2回にわたって講義をしていただきます。フェミニズムやクィア理論について、その歴史や現状の基礎的な知識を学ぶだけでなく、当事者たちが生き抜くためにどのように理論を組み上げ、実践してきたかについてもお話しいただきます。
第2回|2024年12月7日(土)13:00〜16:00
テーマ|フェミニズム/クィア理論の基礎知識②(基礎講義)
ゲスト|藤高和樹
第3回|2024年12月21日(土)9:30〜12:30
テーマ|詩とマイノリティ──「片袖の魚」に至るまで(実作)
ゲスト|文月悠光、東海林毅
中原中也賞を18歳で受賞して以来、詩を軸にさまざまな形で言葉を届けてきた文月悠光さん。表現と制作体制の両面から映像作品を通してLGBTQ+と社会の関わりを探ってきた東海林毅さん。詩の言葉と映像、それぞれ異なる表現を扱うお二人が作家としてどのような思いで作品をつくられているのかをお聞きします。
第4回|2025年1月12日(日)9:30〜12:30
テーマ|女性同性愛と現代美術/ゲームとクィア・フェミニズム批評(批評)
ゲスト|近藤銀河
アーティスト・美術史研究家の近藤銀河さんは著書『フェミニスト、ゲームやってる』において、ゲームというメディアを「クィア・フェミニズム批評」の視点から批評しています。講義ではゲームをテーマに、フェミニストやレズビアンたちがデジタルなメディアに何を求めてきたのか、そして作品がどのようにその期待に応えてきたのかを紐解くことで、「クィア・フェミニズム批評」の可能性について考えます。
第5回|2025年1月25日(土)9:30〜12:30
テーマ|小説とマイノリティ(実作)
ゲスト|李琴峰
台湾出身でレズビアンであることを公表している作家の李琴峰さん。李さんは作品を通して「言語や国家、文化や歴史に対する思索、更には現代社会や政治に対する危機感や、カテゴライズされることの苦しみ」を描いてきたといいます。交差的なマイノリティ性を持った作家として日本で作品を書くこと、実作者としての視点から「批評」をどのように捉えているかなどについてお話しいただきます。
第6回|2025年2月8日(土)9:30〜12:30
テーマ|ケアの倫理/フェミニズム批評から読む文学(批評)
ゲスト|小川公代
英文学を中心としたさまざまな作品を「ケア」を切り口にフェミニズム批評の視点から分析してきた小川公代さん。さまざまな作品の背景を現代的なフェミニズムの視点から紐解き、批評的な解釈を加えることについて、その方法や可能性をお聞きします。
第7回|2025年2月22日(土)9:30〜12:30
テーマ|現代アメリカ文学と文化批評/レベッカ・ソルニットとフェミニズム批評(批評)
ゲスト|ハーン小路恭子
現代アメリカにおける重要な作家・アクティヴィストであるレベッカ・ソルニットの著作の翻訳を数多く手がけ、同時に20世紀以降のアメリカ文学やポップカルチャーにおける危機意識と情動のはたらきについて論じてきたハーン小路恭子さん。アメリカのコンテンツを中心に、多様なアイデンティティが交差する中でつくられてきた作品が、何をどのように表現しているのかを批評的に読み解くことについてお聞きします。
最終課題講評|2025年3月15日(土)9:30〜12:30
講師|水上文
受講生が執筆した最終課題に対し公開で講評を行います。後半には対話会を実施し、講義を通して得たものをお互いに話し合い、改めてこれからの批評のこと、社会のことについて考えます。
▷ ゲスト講師
▷ 第1回・第2回ゲスト講師
藤高和輝(ふじたか・かずき)
京都産業大学文化学部准教授。専門はフェミニズム、クィア理論、現代思想。著作に『ジュディス・バトラー:生と哲学を賭けた闘い』『ノット・ライク・ディス:トランスジェンダーと身体の哲学』(以文社)、『〈トラブル〉としてのフェミニズム:「とり乱させない抑圧」に抗して』(青土社)、『バトラー入門』(筑摩書房)
▷ 第3回ゲスト講師
撮影:神藤剛
文月悠光(ふづき・ゆみ)
詩人、武蔵野大学客員准教授。1991年生まれ。第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(ちくま文庫)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少18歳で受賞。第4詩集『パラレルワールドのようなもの』(思潮社)で富田砕花賞を受賞。その他の詩集に『屋根よりも深々と』(思潮社)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)など。エッセイ集に『臆病な詩人、街へ出る。』(新潮文庫)、『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)がある。
東海林毅(しょうじ・つよし)
映像演出、映画監督。武蔵野美術大学在学中より活動を開始し1995年東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて審査員特別賞を受賞。バイセクシュアル当事者でもあり、商業作品を監督する傍ら映像作品を通してLGBTQ+と社会の関わりを探る。『片袖の魚』(2021)では日本で初めてトランスジェンダー当事者俳優の一般公募オーディションを行い話題となる。
▷ 第4回ゲスト講師
近藤銀河(こんどう・ぎんが)
1992年生まれ。アーティスト、美術史家、パンセクシュアル。中学の頃にME/CFSという病気を発症、以降車いすで生活。主に現代から見てレズビアン的と見える西洋美術の研究するかたわら、ゲームエンジンやCGを用いセクシュアリティをテーマにした作品を発表する。ライターとして雑誌『現代思想』『SFマガジン』『文藝』、書籍『われらはすでに共にある─反トランス差別ブックレット』など寄稿多数。単著に『フェミニスト、ゲームやってる』。
▷ 第5回ゲスト講師
撮影:稲垣純也
李琴峰(り・ことみ)
1989年生まれ。小説家。2017年、第二言語の日本語による小説『独り舞』で群像新人文学賞を受賞し、作家デビュー。2021年に『ポラリスが降り注ぐ夜』で芸術選奨新人賞、『彼岸花が咲く島』で芥川賞受賞。主な作品に『星月夜』(集英社)、『生を祝う』(朝日新聞出版)、『肉を脱ぐ』(筑摩書房)、エッセイ集『透明な膜を隔てながら』(早川書房)など。
▷ 第6回ゲスト講師
撮影:嶋田礼奈
小川公代(おがわ・きみよ)
上智大学教授。専門は、ロマン主義文学、医学史、およびジェンダー研究。著書に、『翔ぶ女たち』『ケアの倫理とエンパワメント』『ケアする惑星』(いずれも講談社)、『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)、『ゴシックと身体 ──想像力と解放の英文学』(松柏社)など、訳書に、シャーロット・ゴードン『メアリ・シェリー』(白水社)、シャーロット・ジョーンズ『エアスイミング』(幻戯書房)などがある。
▷ 第7回ゲスト講師
ハーン小路恭子(はーんしょうじ・きょうこ)
専門分野は20世紀以降のアメリカ文学・文化で、小説やポップカルチャーにおける危機意識と情動のはたらきに関心を持つ。単著に『アメリカン・クライシス 危機の時代の物語のかたち』(松柏社)。訳書にレベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』『わたしたちが沈黙させられるいくつかの問い』(ともに左右社)など。
▷ 学びのステップ
講義イメージ/対話型ワークショップイメージ
▷ 2つのコース
*各回は講義パート+ワークパートで構成されます。講義パートではナビゲーターの水上文さんとゲストによる講義を行います。ワークパートでは回ごとに設定したテーマで対話型のワークショップを行います。
*ワークパートでは、回によっては事前課題として作品や文献を読んでいただく場合があります。
*すべての回にナビゲーターの水上文さんが参加します。
【A】対話+ライティングコース(豊洲会場参加)
講義聴講と対話型ワークショップに加え、執筆課題へ取り組むことを通して「クィア・フェミニズム批評」の基礎知識を学びながら、書く力を身につけるコースです。「クィア・フェミニズム批評」について学びたい人、文章を書く技術を高めたい人、ご自身のSNSやブログなどの発信ツールで広く自分の言葉を他者に届けていきたい人におすすめです。
■ 内容|
・講義聴講、質疑応答
・対話型ワークショップ
・執筆課題への参加と個別フィードバック
・Slackコミュニティへの参加
・アーカイブ動画視聴(講義部分のみ・25年6月末まで)
▷ 執筆課題について
講座を通して8000字の批評文を執筆します。批評文はナビゲーターの水上文さんと批評家/研究者である3名のゲスト(近藤銀河さん/小川公代さん/ハーン小路恭子さん)からフィードバックを受け、改稿を重ねていきます。書き上がった批評文は最終講評会で改めてナビゲーターの水上文さんからコメントをいただきます。
希望者の批評文は論集にまとめ、SPBS店頭やイベントで販売を行います。
(昨年の批評論集についてはこちら→)
■ 日程(全8回+最終課題講評)|2024年11/23(土)、12/7(土)、12/21(土)、2025年1/12(日)、1/25(土)、2/8(土)、2/22(土)、3/15(土) *2025年1/12(日)のみ日曜開催
■ 時間|9:30〜12:30(開場は9:20) *第1回(11/23(土))、第2回(12/7(土))は13:00〜16:00(開場は12:50)
■ 会場|SPBS TOYOSU(東京都江東区豊洲2-2-1 アーバンドックららぽーと豊洲3-4F [MAP] *有楽町線 豊洲駅直結)
■ 受講料|
早期割引価格:100,000円(税込110,000円)*11月4日(月・祝)23:59まで → 11月10日(日)23:59まで延長しました!
通常価格:120,000円(税込132,000円)
*分割払いが可能です
■ 定員|20名
■ 申込〆切|2024年11月17日(日)23:59まで
【B】アーカイブ視聴コース(通し受講/単回受講)
「現地に行けないけれど参加したい」「講義だけでも聞きたい」という方向けに、各回の講義パートの録画をオンラインで視聴できるコースをご用意しました。遠方にお住いの方、自分のペースで視聴したい方におすすめです。
また、特定の回のテーマに興味があるという方に向けて、講義パートの録画を単回で視聴できるコースもご用意しています。お忙しい方や、SPBSの講座の雰囲気を知りたいという方、自分の興味のあるテーマに絞って学びたいという方はこちらの受講をおすすめいたします。
■ 内容|
アーカイブ動画視聴(講義部分のみ・25年6月末まで)
一回あたり90分程度を予定しております。
■ 会場|オンライン(各講義実施から1週間程度で動画視聴用のリンクをお送りします)
■ 受講料|
通し(全7回):30,000円(税込33,000円)
単回:4,500円(税込4,950円)
■ 定員|初回30名
■ 申込〆切|2025年3月31日(月)23:59まで
▷ よくあるお問い合わせ
Q1. ワークショップに参加するにあたり、用意するものはありますか?
A1. アーカイブ動画の視聴にあたり、インターネットへの接続環境と、PCやタブレットなどのデバイスが必要です。
Q2. すべての回に参加できなくても大丈夫ですか?
A2. 【A】コースでは講義後半に受講生同士による対話ワークショップを行うため、出来る限りの参加を推奨しております。ご欠席された場合は講義パートのみアーカイブ動画でご視聴いただけます。(個別の補講などは予定しておりませんので、あらかじめご了承ください)。
▷ 注意事項
・最少催行人数に達しなかった場合、開催を見送る場合がございます。あらかじめご了承ください。
・スケジュールや課題提出の連絡など、【A】コースのコミュニケーションツールとしてSlackを使用します。
・講座開講決定後のご返金は、特別な事情がない限り原則として受け付けておりません。
・各回の講義の様子は録画され、運営者、ゲスト、参加者に共有されます。
▷ SPBS THE SCHOOLとは?
SPBS THE SCHOOLは、“編集“を通して世の中を面白くする遊びと学びのラボラトリーです。古今東西のすべての本、著者、編集者をパートナーに迎え、日常のもの・こと・場所を観察し、意味を捉え直すことで、自分と世の中に小さな変化を起こしていきます。
現在受付中・過去に開催したワークショップはこちら→
SPBS THE SCHOOL「クィア・フェミニズム批評入門講座」
■ 開講期間:2024年11月23日(土)〜2025年3月15日(土)
■ 主催:合同会社SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS
■ 担当:SPBSメディア事業部 SPBS THE SCHOOLチーム 加藤・大貫
ご相談やご質問などはお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先 school [at] shibuyabooks.co.jp
*土日祝を除き、お問い合わせの翌日までにご返信します。
運営局からのお知らせ(2024/11/7)
第3回の追加ゲストとして、映像演出・映画監督の東海林毅さんをお招きすることが決定しました!