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- 【期間延長!】うーたん陶芸「ゆめるーむ」@SPBS本店
陶器市で知られる栃木県の焼き物の街、益子を活動の拠点とする陶芸家 うーたん・うしろさん。陶芸家になる前は消防士だったという異色の経歴をもちます。
うしろさんによって生み出される作品は、そのすべてが一様でなく、それぞれの個体に確立された特性が宿ります。原始的な力強さ、躍動感のある造形に加え、その傾きや均衡でない厚みもまた、唯一無二の美しいカタチをなしています。
芸術品として飾るだけでなく、生活の中で使える器として、触れた指や手のひらにその存在を主張してくる手触りも魅力的な作品です。
SPBS本店では4月5日(月)から、うーたん・うしろさんによる個展「ゆめるーむ」を開催します。個性豊かな作品とともに、うしろさんが人生のさまざまなシーンで影響を受けた幅広い選書も販売します。
視覚、触覚を刺激される味わい深い作品の数々を、この機会にぜひ手に取ってご覧ください。
うーたん陶芸「ゆめるーむ」・ステイトメント
私は夢をよく見る。
その夢は現実感が非常に強い。
ある出来事が夢で起きたことなのか、現実に起きたことなのか、判断できないことが度々ある。
齟齬が生じたり、突如「ユビキタス」という言葉にとらわれたりと、日々の暮らしの中で支障を来たすこともあるが、夢見は鮮明で魅力的なものだ。
現実の中で誰かに初めてコンタクトを取る時や、何かを作ろうとする時、夢の中でその方法を事前に体験することが多い。象徴的なメッセージを受け取り、時刻や原料の調合量、造形の方法を具体的に体験する。
陶芸の神と名乗る小さなおじさんが登場した時などは、あまりのインチキ臭さに早く夢から覚めないものかと考えたが、器を焼く上で重要なことを教わり、感謝している。
一方で、現実に起きたことは当然夢に影響を与える。強い感情を伴う出来事や日常の中で起きる些細なこと、特に本を読む体験と、そこで展開する情緒は夢見空間に強烈な作用を及ぼす。
荘子の説話に「胡蝶の夢」というものがある。
夢の中で蝶としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢を見ていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢なのかという説話だ。
夢か、現実か。そんなことはどちらでもよいと荘子は言っている。
夢であると自覚しながら見る夢のことを明晰夢と言う。
私は明晰夢を見ている時に訪ねる街があり、その街の本屋に足繁く通っている。
面白いことに、その本屋は、今回展示しているこの空間とよく似ている。
シックな緑色の壁紙や、額縁のような陳列スペースなどはまさにそのままだ。本だけで無く、器や興味深い雑貨が並んでいることも似通っている。
そんな馬鹿なと思われるかもしれないが、このような一致はよくあることだ。
あちらとこちらの往来を重ねると何かが接続されていく。
夢か現実かという二元論では無く、本を読み、夢を見て、火を消し、粘土をこねる全ての瞬間が、現実であり、同時に夢でもある。この痛快な認識は簡単に手放すことができない。荘子も許してくれるはずだ。
今回、夢から得たものを形にした作品と、夢を形作る上で強く作用した書籍を選書し、展示している。
本を読むことによって、夢か現実かを問わず、何度も救われたことは間違いない。
本の中、夢の中、ここでは無いどこかと、ここを繋ぐことで生まれるものが作品であり、この空間もそうなっていたら本望だ。
うーたん・うしろ
うーたん陶芸「ゆめるーむ」@SPBS本店
■ 日時:2021年4月5日(月)~5月2日(日)*好評につき期間延長!
*11:00-21:00の短縮営業中
*最終日は18時までの展示となります
■ 場所:SPBS本店ギャラリースペース(東京都渋谷区神山町17-3 テラス神山 1F)[MAP]
■プロフィール:
うーたん・うしろ(U-Turn Ushiro)さん/陶芸家
1990年生。レスキュー隊員として消防署に勤務する中、陶芸に出会い作陶を始める。 山で堀った土や石を使い、薪をくべて器を焼く。 何かが燃える時の光や、溶けて崩れる様子に注目しつつ「踊る身体」と「作られるもの」の交点から、活動を展開。
HP:https://www.asukaushiro.net/
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