SPBSスタッフ、読者、イベントゲスト、お客さま……
などなど、SPBSの周辺にいる人たちみんなで“SPBSの辞書”をつくるとしたなら……?
SPBSスタッフが、自分たちの辞書の中に残したいと思う「用語」と、その「解説」を記述していく半ば冗談、半ば本気の辞書制作です。
文 = SPBS編集部
Word #02 ガラス張り【がらす-ばり】
・SENSE(意味)
(1)ガラスを一面に張ってあること。
(2)隠し事がなく公明正大である様子。
(3) SPBS本店の前面はすべてガラスで中が見えるようになっており、かつ店舗と編集部(オフィス)の間の仕切りもすべてガラスでつながっている。一面ガラス越しに丸見え状態の店とオフィスで、スタッフが忙しそうだったり眠そうだったり、ごはんを食べていたりすることも包み隠さない公明正大な社風を体現している店構え。
・COMMENTARY(解説)
SPBSは10年前に住宅街にぽつんとできた本屋兼出版社だが、オープン当初の本屋は“ガラス張りでショールームかと思った”“おしゃれそうで入りにくい”などと言われ、平日などは閑散としていた時期もあった。いまでは本屋の近くに魅力的な飲食店・雑貨店などが増え、エリア一帯が「奥渋谷」という名で知られるようになり、常時お客さまの姿がみられるようになっている(本当にありがたい)。
「全面ガラス張り」の建物は、壁で隔てられた建物と違って外から中身がよく見える。「よく見える」ことになぞらえて、経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏は、まだ従業員数もごくわずかだった創業当初から、公私の区別をはっきりつけて経営数値を社員と共有する「ガラス張り経営」を徹底した。“現代の経営の神様”と言われる稲盛和夫氏も、企業の会計「7つの基本原則」のひとつに「ガラス張り経営の原則」を掲げ、経営の透明性を保つことが不可欠だと説いている。ちなみにSPBSでも、経営数値は毎月全社で共有し、目標との差を把握したり、あれこれ施策を考えたりしており、建物だけではなく、経営面でも「ガラス張り」であることに努めている。
奥渋谷には、バックオフィス(厨房、工房)と店舗の仕切りがガラス張りである店が多く、「プロセスまでお客さまに公開する・共有する」「お客さまの息吹を感じながら制作する」といったオープン・マインドな空気が店構えにも表れているためか、閉塞感のない心地よさがエリア一帯に広がっている。ぜひ奥渋谷一つ一つのお店を回って、真偽のほどを確かめていただきたい。
また、当社のオフィスで働いていると、よく「ガラス越しに丸見えの環境で働くのって、どんな感じ?」と聞かれるが、中に入ってしまうと意外なことに全く外の目が気にならない。ただし、外から見える自席でおにぎりくらいは食べられるが、カップラーメンは少々食べにくい。
・USAGE(用法)
「──だと窓拭き掃除が大変。いい運動になるね。」
「いくら──の経営とはいえ、そこまで見せていいのか?」