『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』の著者・小原晩さんの初の小説集。
吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。全4篇が描き出す、人生の物憂さと微光。
ゆきはひとりになって働きはじめ、私は水浴びする男を見つめ、雨の夜に三人は出会い、百子は絶望を抱えたまま暮らしている。
全四編が映し出す、人生のもの憂さと微光。
【収録作品】
●「けだるいわあ」
唐揚げ弁当ひとつくださいと口に出す。真っ赤なエプロンの女のひとは「はあい」と愛想なく、しかし不機嫌そうでもなく、どちらかというとぽかんとした感じで返事をした。
●「水浴び」
ルーフバルコニーではおじさんが水浴びをしていた。パンツ一丁の姿で、青いホースから水をどんどんあふれさせ、頭の上からきもちよさそうに水を浴びている。
●「カリフラワー」
あの夜は小雨で、傘をささなくてもよいほどの小雨で、というより雨は、わたしが家を出たときにはまだ雨は降っていなかった。気配はあったが、気にしなかった。
●「風を飼う方法」
吹かれたいときに吹いてくれる風のないことには心おぼえがある。百子は黙って、窓を閉める。
(河出書房新社サイトより)
著者:小原晩
装丁:岡本太玖斗
出版社:河出書房新社
発売日:2026年3月4日
単行本/4C変形/120ページ
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