オーギュストは、自分のことを不運な男だと考えていた。こども時代に母親は彼を置いてザンビアへと仕事に行き、各地への転勤を続ける父と過ごした彼は、18歳になった翌日に父の葬儀を取り行った。オーギュストはふと28歳のある10月に洗面所で、自分の「ついてない人生」からギアを切り替える必要があると思い立つ。
「オーギュスト・バラカの狼狽」に始まる8作品は、それぞれの登場人物が少しずつ繋がり合う連作短編集。諦めや後悔、良心の呵責や偶然がもたらす奇跡を描きながら、誰もが誰かの意図しない行いによって救われているかもしれないことを思わせる、ゴンクール短編小説賞受賞の名作です。M
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