京都の路地にある旅行代理店。そこには、本社から左遷されてきた咲嬉子と光恵と係長の3人の社員が働いている。海外旅行に出かけない咲嬉子は、世界の危険を知りながら、窓口では笑顔で海外旅行を案内するのだ――
台風の夜をきっかけに、「旅先」と「現在地」そして「現実」と「蜃気楼」のはざまを思う「まっ茶小路旅行店」ほか、文學界新人賞受賞デビュー作の「初子さん」に「うつつ・うつら」を加えた3篇の小説集が刊行。
赤染晶子の原点は、もしかすると社会から浮いているかもしれないひとたちが、切実に奏でる人生の真実を描きだします。
傑作としか言いようのないエッセイ『じゃむパンの日』も当店のロングセラー。
著者:赤染晶子
発行:palmbooks
刊行日:2025/4/15
サイズ:12.8 x 1.3 x 17.8 cm、192ページ