「新幹線の車窓に広がる、あの店が気になる。」
そんな誰もが一度は抱いたことのある小さな引っかかりを、本当に確かめに行ってしまうのがスズキナオさんの旅です。
車窓から見えたすき家へカレーを食べに行く。何気なく見かけた公園へ足を運ぶ。気になっていた食堂をもう一度訪ねる。そこにあるのは、観光地でも絶景でもない、誰かの日常が続く場所。
でも、だからこそ面白い。
「自分の知らない町に、たくさんの人が暮らしている」という当たり前の事実に、ふと心が揺さぶられる瞬間があります。
食べること、飲むこと、誰かと出会うこと、そして何気ない風景に足を止めること。スズキさんのまなざしは、遠くへ行くことだけが旅ではないと教えてくれます。
『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』に続く本作は、日常のすぐ隣にある未知を探す、ささやかで豊かな旅の記録。
読み終えたあと、いつもの帰り道や電車の窓の外が、少し違って見えてくる一冊です。
著者:スズキナオ
発行:太田出版
発売日:2026年5月27日
四六判変形/340ページ